テレビでよく見る刑事ドラマ。刑事だけでなく、機動隊や機動捜査隊が出てきたりしますよね。
ここでは名前は似ている「機動隊と機動捜査隊」「警察庁と警視庁」の違いや、「警察と公安」の違いを、組織図を使って分かりやすく解説します。
また、人気の刑事ドラマの主人公の所属部署もまとめました。
機動隊と機動捜査隊の違い
警視庁の組織図で説明しますね。
機動隊は「警備部」にあり、機動捜査隊は「刑事部」にあります。
機動隊の主な仕事は、治安警備や雑踏警備などです。
例えば、大きな花火大会では警察官が「ここに立ち止まらないでください」と見物客に指示を出していたりしますよね。あれが雑踏警備です。
一方の機動捜査隊は「刑事部」ですから、捜査するのが仕事です。
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殺人や強盗などの凶悪事件の初動捜査
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24時間3交代制で、覆面パトカー巡回
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重大事件で捜査本部が設置され、人員が必要な場合は参加
実際の警視庁には刑事部の中に3隊の機動捜査隊があり、隊員は約120人います。
刑事というと「捜査第一課」のイメージですが、最近は「機動捜査隊」も人気部署で、希望する隊員が続出だそうです。
捜査課も機動捜査隊も、どちらも刑事なんですね。
ちなみに2015年頃の第一機動捜査隊の隊長は、警視庁初の女性隊長でした。
ドラマや映画で見る限り、刑事部は「男社会」のイメージが強いですよね。
そんな中で女性初の隊長というのは、とてもプレッシャーでしょうが、かっこいいですね!
この組織図は、この記事の内容を説明するために簡略化しています。
この3部署以外にも交通部や地域部などがあります。
また、この3部署も機動隊や捜査課の他に課があります。
警視庁と警察庁の違い
これも違いが分かりにくいですよね。
警視庁は東京都の組織です。
各都道府県ごとに「警察本部」がありますが、東京だけ警察本部のことを「警視庁」としています。
簡単に言うと、他の道府県では「大阪府警」や「〇〇県警」と言っているところを、東京都は「東京都警」ではなく「警視庁」と言っているんですね。
警察庁は、国の機関です。各都道府県警察の指揮・監督などしています。
警察庁と警視庁の関係は、人間関係で言うと「親子」とか「上司と部下」とかそんな感じです。
警察庁の方が上位機関ということですね。
警察と公安の違い
もう一度、警視庁の簡略組織図を見てください。
公安は警察の中にある部署で、「治安」が任務です。
テロや過激組織の取り締まりなどを行っています。
公安の中にも「公安捜査機動隊」があります。
刑事部の捜査機動隊は殺人・強盗などの事件の初動にあたり、公安捜査機動隊はテロ事件の初動にあたっているんですね。
人気刑事ドラマの部署はどこ?
人気の刑事ドラマの主人公たちは、どこの部署に所属しているのか、調べてみました!
「相棒」
主人公(水谷豊)は警視庁特命係。実際の警視庁には存在しない部署ですね。
「ストロベリーナイト」
主人公(竹内結子)は警視庁捜査第一課でした。
「科捜研の女」
主人公(沢口靖子)は、京都府警科学捜査研究所の研究員。科捜研は刑事部の中にあります。
「踊る大捜査線」
主人公の青島(織田裕二)は、警視庁湾岸署の刑事課強盗犯係。
室井(柳葉敏郎)は警視庁長官官房審議官でした。
ドラマ開始当時は湾岸署は実在しませんでしたが、2008年に開署しました。
「古畑任三郎」
主人公(田村正和)は、警視庁刑事部捜査一課の警部補。
「あぶない刑事」
主人公ふたり(柴田恭兵と舘ひろし)は横浜県警横浜港署の捜査部の刑事。一課か二課のどちらか不明。
「はぐれ刑事純情派」
主人公(藤田まこと)は、警視庁山手中央署刑事部の特任巡査部長。
「十津川警部シリーズ」
主人公(渡瀬恒彦)は警視庁捜査一課係長。
「警部シリーズなのに、なぜ係長?」と思いますが、階級が警部なのだそうです。
「太陽にほえろ!」
主人公(石原裕次郎)は警視庁七曲署の捜査一課捜査第一係長。
「西部警察」
主人公(渡哲也)は、警視庁西部署捜査部課長。
こうしてみると、やはり警視庁捜査一課を舞台としたドラマが多いですね!
まとめ
警察の組織や機関は、名称が似ていて、違いが分かりにくいですね。
日本では刑事ドラマや映画が多いので、組織や部署の違いを知っていると、より深く理解できるかもしれません。