2020年6月26日に、東京地裁が「NHKが映らないテレビは、受信契約の義務はない」との判決を下しました。
このことで、「NHKが映らないテレビを買いたい」と思った人は多いかもしれませんね。
NHKが映らないテレビはどこで買えるのか、また注意点についてまとめました。
NHKが映らないチューナーレステレビ
チューナーレステレビとは、テレビチューナーを搭載していないテレビのことです。
動画配信サイトの番組を大画面で見たり、ゲームやノートパソコン、DVDやブルーレイのプレイヤーを接続したりする時に使います。
一般にイメージする「テレビ」というより、「大型モニター」といった方が適切かもしれません。
チューナーレステレビ自体は、SONYやI-O DATA、JAPANNEXTなど、いろいろあります。
家電量販店や通販で買えるので、購入するのは簡単です。
しかし、チューナーレスなので、NHKだけでなく民放も映らなくなってしまいます。
・NHKが映らない
・民放の地デジ、BS、CSも映らなくなる
チューナーレステレビで民放を見る方法
チューナーレステレビで民放番組を見たい場合、主に2つの方法があります。
(1)チューナーレステレビに、地デジのチューナーを付ける
(2)Amazonの「Fire TV(第2世代)」や「Fire TV Stick(第3世代)」を付ける
(1)だと当然NHKも映ります。これだと意味ないですね。
(2)はちょっと複雑です。
チューナーレステレビにAmazonの「Fire TV」や「Fire TV Stick」を接続しただけでは、NHKは今のところ映りません。
ただし、Tverのアプリをいれてしまうと、NHKが映ってしまいます。
AmazonのFire TVだと、NHK受信料はどうなる?
チューナーレステレビ+AmazonのFireTVの場合、NHKの受信料は発生するのでしょうか?
疑問は2つです。
(疑問1)チューナーレステレビ+AmazonのFire TV=NHKは映らない
→受信料は払わなくていい?
(疑問2)チューナーレステレビ+TVerのアプリ=NHKが映る
→受信料は発生する?
この2点について確認しようと、NHKの問い合わせ番号に電話をしました。
しかし、オペレーターがAmazonのFire TVを知らず、話がかみ合いませんでした。
- テレビのチューナーを内蔵しておらず、インターネット経由
- Amazonプライムで映画を見たり、Gyaoなどでドラマコンテンツを見る
- その場合、NHKは映らないが受信料は支払わなくてよいか
何度も言い方を変えて伝えましたが、話が伝わらず。
「テレビチューナー内蔵のパソコンやスマートフォンは、受信料がかかります」と言われるので、
「チューナーを内蔵していないテレビだと、どうですか?」と尋ねる。
この繰り返しで、ここから話が進みませんでした。
「お客様の個別の状況については、各都道府県のNHK営業窓口に問い合わせてください」と言われました。
チューナーレステレビで受信料がかかるか、条件は全国統一されていないのか尋ねましたが、「個別に営業部で対応します」とのこと。
NHKの受信料問い合わせ窓口では回答をもらえませんでした。
普通に考えれば、チューナーレスで、アンテナにも接続しないので、Amazon Fire TVに接続しただけでは受信料は発生しないと思うのですが、明確な回答は個別対応だそうです。
アプリの登録状態など、「個別の状況」によるかもしれませんので、詳細はお住まいのNHK営業部にお尋ねください。
テレビにNHKが映らなくなるフィルター「イラネッチケー」
「民放が普通に映って、NHKだけ映らないテレビが欲しい」と思う人は多いと思います。
NHKの電波だけを受信しないようにする「イラネッチケー」というフィルターがあります。
筑波大学の研究室が開発したそうです。
イラネッチケーはAmazonなどで販売しています。
わたしが確認した時は、価格5378円でした。
これをテレビに取り付ければ、確かにNHKは映らなくなりそうですね。
ただし、この方法には注意点があります。
NHKが映らなくなっても、受信料の支払い義務が生じるかもしれないのです。
「NHKが映らないテレビ」の注意点
2020年6月の裁判で「NHKが映らないテレビは、受信料を支払う義務はない」と勝訴した原告の女性も、このイラネッチケーが付いたテレビでした。
しかし、イラネッチケーで気になるのは、裁判の争点。
- イラネッチケーを付けたテレビで、NHKの受信料裁判は5件起きている
- 5件の裁判のうち、3件はNHK勝訴。(1つ取り下げ)
- 5件の裁判のうち、原告が勝ったのは今回(2020年6月地裁判決)だけ。
NHKが3回勝訴したのは、「フィルターだから取り外せる」という理屈でした。
「NHKから国民を守る党」の立花氏は、敗訴しましたね。
今回、原告が勝訴したのは、裁判所が次の判断をしたからです。
- 原告の女性はフィルターの付いたテレビを買った
- 専門知識のない女性にはフィルターの取り外しは困難と判断
個人的には、NHKが控訴した場合、この勝訴判決はくつがえるかもしれないと思っています。
というのも、NHKは以前「イラネッチケーを溶接したテレビ」でも裁判に勝ってるんですね。
溶接したフィルターって、簡単には外せないですよね。
「専門知識がなければ、取り外しは困難」と似たような状況で、裁判所の判断が分かれてしまっているのが気になります。
この原告勝訴もまだ地裁判決の段階です。
NHKが控訴して高裁・最高裁まで裁判が進んだ時に、判決がくつがえる可能性もあります。
そういう意味では、イラネッチケーでNHKが映らなくなっても、受信料を払わなくていいかというと、ビミョーかもしれません
まとめ
NHKが映らないテレビは、受信料を支払う義務はないという判決。
NHKを見ない人からすると当然のようにも思えますよね。
これだけ時代が変わってくると、NHKの在り方も変わるのが自然のようにも思います。